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① 素材からの一貫開発

素材(線材)段階での高強度化を、線材を供給する日本製鉄株式会社と連携して一貫開発を行える製造体制を構築しています。

(※対象となる製品には制限があります)

② パテンチング(熱処理)+伸線加工(引抜冷間加工)

ピアノ線をはじめ、高炭素鋼のベースとなるパーライト組織を得るために行う熱処理をパテンチングといいます。
最適な条件で処理することで、素材が持つ特性を最大限に引き出すことが可能です。

このパテンチング処理された素材(線材・中間材)を、ダイスという工具の超硬材質の孔に通線して引抜加工することで線径を細くすることを伸線(加工)と呼びます。
伸線を連続的に処理することで、パーライト組織は引抜方向に整列した繊維状組織となります。
また、総断面減少率をコントロールすることで伸線材の引張強さを調整します。

伸線加工で製品化するワイヤの高強度化は、①と②を組み合わせて最適化することで実現します。

パテンチング(熱処理ライン概略)

伸線加工(伸線ライン概要とパーライト組織の状態)

③ 焼入れ焼戻し(オイルテンパ処理)

伸線加工で所定の線径に施した後に熱処理を施すことでワイヤ強度を付与する方法です。
伸線材を加熱して組織をオーステナイト化後に焼入れ媒体(油等)に焼入れすることで、マルテンサイト という硬い組織を析出させ、さらに加熱(焼戻し)することで引張強さや靭性等を調整します。

オイルテンパ処理で製品化するワイヤの高強度化は、同様に①と③を組み合わせて最適化することで実現します。

焼入れ焼戻し(熱処理ライン概要と各工程の組織状態)

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