※部署名・インタビュー内容は取材当時のものです。


技術サポートから新規プロジェクトまで

品質および生産効率の向上、新規引き合いに対する試作等を技術面からサポートする部署に所属し、日々データの収集、分析を積み重ねています。

具体的には、SEM(走査型電子顕微鏡)やEDX(エネルギー分散型X線分析)といった機器で、組織観察・成分分析をし、ワイヤの状態を確認するほか、引張試験や硬さ測定といった機械的性質の確認結果をもとに、製品の評価をしています。

そのため1日の4~5割がデスクワークですが、残りの半分は工場や調査室で実際にワイヤに触れ、微細な変化を肌で感じています。また、2018年秋にある技術開発の社内プロジェクトが立ち上がり、チームの一員となったことから、他の研究員や技術者との連携も密度を増しています。

そのほか、入社の志望動機でもあった医療技術部門での業務も兼務しているので、3足のわらじを履いているような状態でしょうか。忙しい日々ではありますが、そんな中でもメリハリを付けることを心がけているため、公私ともに充実した毎日を送らせていただいていると思います。

念願の医療用部材の開発からスタート

大学では精密機械工学を専攻、研究テーマはチタンとハイドロキシアパタイトを用いた歯科用インプラントの材料開発でした。もともと材料の製造に興味があったのですが、それ以上に「人の役に立つ仕事、できれば命を救う場面につながる仕事をしたい」という思いが強かったです。

そこで、技術的な立場から医療に貢献できる仕事はないかと就職活動していたとき、たまたま出会ったのが当社でした。はじめはピアノ線とか硬鋼線とかいわれてもピンと来なかったものの、「医療分野にも力を入れたい」という説明があり、なるほどと思いました。カテーテル治療ではガイドワイヤが使われますから。

入社後、約半年間は研修で、その後私は主に工場で先輩に教わりながら、ワイヤ製造工程内の不具合を見ました。このとき、各工程で使われる機械の構造や要求される性能について学んだのはもちろん、先輩たちの専門性に目を見張りましたね。

そして2年目、いよいよ技術者として本格的なスタートを切るにあたり、念願だった医療事業を兼務することに。いくつか課題がある中、IVCフィルター(※1)という医療用部材の開発チームに参加できたことは幸運でした。みんなで知恵を絞り、一から創り上げていく作業はとても楽しく、最終的に認可がおりたときの喜びは忘れられません。

(※1)IVCフィルター
血栓を捕獲するための籠や網、傘状の構造をしたフィルター。

チャレンジを後押ししてくれる会社

入社してから意外だったのは、工場勤務とはいえ外出する機会がとても多いことです。たとえば、当社の試験設備に技術的なもうひと工夫がほしいとか、あるいはすでに他社が開発した試験機の導入を検討したいと思ったとします。そういうとき、上司から言われるのは「どんどん行ってきなさい」。展示会にしてもメーカー訪問にしても、外の技術者と交流する機会を推奨する、快く背中を押してくれるんです。

会社と家の往復だけで知識は増えませんよね。自分の技術力も向上しません。その点、当社は知見を深める機会に溢れています。その姿勢は業務についても同じで、「やってみたい」ことがあるなら「どんどん提案しなさい」という雰囲気があります。

私の場合、様々な分野での仕事に携わり、各分野でのスペシャリストの下で働ける機会を多く頂けています。専門性の高い先輩の下で働いたことがいつか、自分がやりたいことの発展につながる。そのときも会社は「提案してみなさい」と、チャンスを与えてくれるでしょう。私はそこに当社の魅力を感じています。

入社を希望する方へのメッセージ

学生時代には接点がなかった業界ですが、自社製品や製造工程を知れば知るほど興味が湧き、ある意味新鮮でかえってよかったと思います。就職活動中の皆さんも、自分とは関係ないと思う企業の話にも耳を傾けてみては。「やってみたい」ことにつながるチャンスは意外なところにあるものです。