問題解決のプロフェッショナル集団

私が所属する設備部設備技術グループは、工場内に設置されるありとあらゆる設備の仕様検討から立上げまでを担当する部署です。

実際の業務としては、設備投資を必要としている部署から要求仕様があがってくるので、それらをまとめて設備構成を検討し、仕様書を作成します。その仕様書に基づき発注した設備の設置工事を監督し、完了検査および試運転に立会うまでが一連の業務です。

個人的には常時10案件くらい担当しているでしょうか。案件は一つひとつ、部署も担当者も使用目的も異なるので、特定の製品製造にかかり切りになる部門とは違い、変化に富んだ仕事内容だといえるかもしれません。

また、系列会社を含め様々な部署から声がかかるので、工場全体を俯瞰的に見渡すことができます。どの製品のどの工程で何が起きているか、私たちのところに集約され、それを設備設計という技術を使って改善する。いわば問題解決のプロフェッショナル集団です。

自分が設計した設備が役に立ったときの嬉しさ

やりがいを感じるのは、自分が設計した設備が形になり、その設備を扱う人の役に立ったときです。こう話すと、もともと私に専門性があったかのように聞こえますが、まったく違います。

大学では機械工学を専攻し、自動車の運動性能向上をテーマとした実車実験を行っていました。その過程で鉄鋼材料に興味を持ち、自動車エンジン用弁ばね素材で世界的なシェアを誇る当社に魅力を感じて入社を決めました。そういった経緯もあったため、研修後に製造技術部ではなく現在の部署に配属が決まったときは、「やっていけるかな?」と不安になりました。しかも入社1年も経たないうちに、最初の設備設計を任されたんです。

機械設計は学生時代に学んだので知識はあったものの、工場の設備なんてもちろん初めてです。ワイヤのガイドローラーだったか、勝手がわからず、とんちんかんな設計をしたと思います。もちろん、上司のチェックは入りますが、現場に持って行くと「こんなの使いものにならないよ」と却下されることもたびたび。

でも、そうやって経験を積んでいくのが一番なんです。実力がつきますから。

また、設備技術者として、要求レベル以上の処理能力を発揮する設計を目指すのは当然ですが、作業性やメンテナンス性、コスト面も考慮しなければならず、これらが必ずしも両立しないんです。打ち合わせを重ね、落としどころを定めて作った結果、現場の皆さんから「これはいいね」とほめられたときはすごく嬉しいです。

人とつながることが好きな人が向いているかも

設備設計という仕事は、自分自身が使わない機械を作る仕事なので、実際に扱う人たちの声に耳を傾けることが非常に大切だと考えています。

たとえば関連部署に図面を提出して承認を得る場合、すべての人が図面の読み方を理解しているわけではありません。また、現場のオペレータは作業性が気になるでしょうし、保守担当はメンテナンス性を重視します。ですので、漠然と図面を提出するのではなく、個々の部署にとって最優先すべきはどの部分でどう考えてこのような設計にしたか、明確にするよう心がけています。

つまり、技術屋でありながらも基本は人とのコミュニケーションです。現場にはその道ひと筋のベテランや職人気質の社員がいて、新しい設備を考えるとき、皆さんの話が思いがけない発想をもたらしてくれたりします。そういうとき、志望動機でもあった製造技術に直接かかわりたいという気持ちがよみがえりますし、今の仕事で得た大勢の人とのつながりが将来の仕事に活かせるのではないかと思います。

入社を希望する方へのメッセージ

入社後の配属先が希望する部署と異なることは往々にしてあります。だからこそ、何事にも興味を持って取り組む姿勢を身につけておくことは大切で、それは学生時代からできると思います。興味を持つと何かしらコミュニケーションが生まれ、そこからさらに興味が広がり、仕事が楽しくなりますよ。